脊髄を損傷すると患者の体には麻痺が起こるだけではなく、このことによって体には様々な変化や悪影響が発生します。これが原因となって患者のその後の生活においても、様々な病状が体に発生してしまう危険がつねにつきまとい続けます。病状によっては入院を必要となってしまうこともあります。
1、排尿、排便機能の麻痺
排尿機能が麻痺した場合は導尿などによって尿を膀胱から出さなければなりません。これが原因となって尿路感染を引き起こしてしまうこともあります。
排便機能が麻痺した場合は肛門ちかくまで下りてきたを便を掻きだす必要もでてきます。これが原因となって痔など肛門に関係する病状が発生する危険があります。
2、褥瘡の危険
感覚機能が麻痺した場合痛みを感じることができないため、座っているときや寝ている時に同じ体の部分を圧迫しつづけてしまいます。これによってその部分には血がかよわなくなって、その部分の組織が死んでしまいます。これを褥瘡といいます。褥瘡は尾骨など骨がでっぱっている体の部分に発生しやすいです。
3、骨に及ぼす悪影響
体に麻痺がおこると、「二次性の骨粗鬆症」になって骨が弱くなり、ごく軽い怪我でも骨が折れやすくなります。これは骨に体重がかからなくなったり、血液の流れが悪くなったり、骨をあたらしく作る働きが落ちたりすることが原因だと考えられます。
また「異所性骨化」という、麻痺した関節の部分に余分な骨ができてしまうことがあります。これができると関節の稼動域が制限されてしまいます。
4、肺機能の障害
人間の呼吸は横隔膜と肋骨の間の筋肉を使って行っています。横隔膜での呼吸は約C3,4で可能となります。この筋肉が麻痺している場合は人工呼吸器に頼らなければなりません。横隔膜の呼吸が可能でも、肋骨間の筋肉が麻痺している場合は、大きく深い呼吸をすることができません。このことが原因となって、咳ばらいがうまくできなくなったりしてタンなどが肺に溜まりやすくなり、肺炎や呼吸器系の病気になりやすくなります。
5、体温調節の障害
四肢麻痺など広い範囲が麻痺した患者は、通常、体が自動的に行うはずの体温調節がうまくできなくなります。
暑い部屋に長くいた場合などは、それに伴って体温が急激に上がったりします。これは体が汗を出して体温を調節することができくなることなどが原因です。
6、貧血と高血圧の危険
自律神経の働きによって、人間の血圧は心臓や血管が自動的に働き急激に変化しないように制御されていますが、脊髄損傷によって四肢や上位部分が麻痺のした患者は、自律神経も障害を受けてしまうので、これに伴う体の異常を抱えることになります。
その症状としては、体を急に起こしたりする場合は、血圧が急激に下がり、めまいや視界が狭くなったりします。ひどい場合には失神することさえあります。それとは逆に血圧が急激に上がる場合もあります。これは膀胱に尿が溜まり過ぎた場合や便が溜まり過ぎた場合など、ひどい刺激が体に加わった場合に発生します。
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